生き物はなぜ死ぬのか
生き物の死に方には、大きく分けて2つあるという。
一つはアクシデントによる死。食べられたり、事故に遭うとか、要は突然の死。
もう一つは、寿命による死。
寿命は、遺伝的にプログラムされた命の長さであり、種によってその長さは違う。
さまざまな生き物の寿命(生物はなぜ死ぬのか 小林武彦 著 講談社現代新書)
死は、進化するために必要なのだと言われています。
そして、進化が生き物を作ったという。
人間も進化の過程の中で、すなわち他の種の死によって、作られたもの。
そして人も進化から逃げることはできない。
死から逃れることはできないのでしょう。
人類の死は、次の種への進化の過程。
個々人の死もその一部分。
というのが生物の死の理由であるといいます。
私たちは、死によって次の種の命の始まりを作ることができるのだということでしょうか。
選択と変化は、生物の進化の原則だといいます。私たちは変化し続けながらしか、合理的な選択の結果としてしか今を作り出すことはできないのです。
地球には、名前のついているものだけでも約180万種の生物種があるという。
彼らは、そうして生き残ってきた。
老化は細胞レベルで起こる不可逆的、つまり後戻りできない「生理現象」で、細胞の機能が徐々に低下し、分裂しなくなり、やがて死に至るという。
免疫細胞の老化による免疫力の低下や、組織の細胞の機能不全によるものだと書かれています。
本書は、あとがきで次のように締めくくっています。
死は現在生きているものから見ると、生きた「結果」であり「終わり」ですが、長い生命の歴史から考えると、生きている、存在していることの「原因」であり、新たな変化の「始まり」なのです。